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教授 北畠 顕先生(北大医学部循環器内科学講座)
専門は循環器内科です。具体的には高血圧症、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、心筋症、弁膜症、 不整脈などの病気の原因を探ったり、診断治療法の開発を行っています。5年前に大阪大学の助教授から北大の循環器内科の教授に迎えられ、札幌に赴任しました。 北海道は学生時代に1ヵ月ほど夏休みを利用して、隅々までまわりました。今からいえばカニ族のはしりでしょう。当時の印象から北海道は何となくロマンチックなイメージがありました。現実に北大で仕事をするようになり、その印象は変わっていません。自然は雄大で人々も親切です。北大の循環器内科を世界の循環器内科のホットスポットにしようと、教室の若い人たちと日夜頑張っています。<北海道の心臓・血管病の現状について先生のお考えは?>
食べ物などがおいしくて冬がきびしいことから脳血管障害や心臓病が多いのでは…と思いましたが,いろんな方々に聞いたり実際にデータを拝見しても、あまり本州と差がないようです。ただ季節的に冬にこれらの病気が発症することは多いと思います。部屋の中と外の温度差、雪かきなどの重労働が誘因になるようです。<21世紀の医療はどうなるでしょうか>
21世紀には高齢化社会を越えて高齢社会になります。2010年には5人に1人が65歳以上と推測されています。これほど短期間に高齢社会に移行する国は、欧米でも例がなく、日本が最初です。<「心臓,血管病」予防について道民の皆さんへのメッセージをお願いいたします>
病気としてはガンや心臓病が今以上に重要となるでしょう。また、寝たきり老人などについてもテレメディシンや訪問看護を含め充分な対応が求められます。
心臓,血管病を促進するいろんな危険因子が明らかになってきています。例えば喫煙、高血圧、肥満、高脂血症などです。ですからこれらの因子をできるだけ取り除くことが必要です。北海道は全国で最も喫煙率が最い地域です。できるだけタバコはやめましよう。とくに最近は若い女性の喫煙者が増えているのが気がかりです。