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NO.9

「運動不足」
(1−2)


札幌市中央健康づくりセンター長
西島 宏隆


高齢時の介護予防に効果が期待できるレジスタンス運動
何ケ月もかけ目標値に到達、それを維持することが大切

 運動不足は万病のもとです。その対策、運動のやり方について基本的なことを次にまとめて見ました。

●頻度と時間/細切れでも効果は変わらない

 運動の頻度と時間と強度は、その運動の効果と密接な関連があります。まず頻度と時間はどうでしょうか。昔から、運動をやるなら続けて最低20〜30分くらい、とよくいわれます。しかし初心者にとって、実際ある運動を20分でも続けるのは大変なことです。

 そこで、1回10分、足して1日30分でも同じ効果が得られるかどうかをみた研究が、最近いくつか行われ、注目を浴びました。その結果、細切れでも効果はおおよそ変わらない、というのが現在の結論です。

 忙しくてとても30分も時間をとれないという人には朗報です。通勤の行き帰りと昼休みに合計で30分歩けばよいのです。

●強度の問題/関節、筋肉など合併症に注意

 運動の強度が強ければより短い時間で効果があがることは昔から知られています。ただし関節、筋肉などの合併症はより多くなるので注意しなくてはいけません。しかしウォ―キングでも、いつもただ漫然とゆったりペースで歩いているよりも、時には腕もふって速歩をしたり、階段や坂道を登る方が運動としては強度が増し、効果があがります。

●どんな種類の運動がよいか/有酸素運動とレジスタンス運動

 運動は大きく分けて2種類あります。極端な例をとると、マラソンのような有酸素運動(エアロビック・エクササイズ)と重量挙げのようなレジスタンス運動です。例えばウォーキングはマラソンより強度の低い有酸素運動です。繰り返し運動を持続する力です。通常少なくとも数分以上続けなければ有酸素トレーニングにはなりません。レジスタンス運動は筋肉を太く強くする運動で瞬間のパワー、力が増加する運動です。続ける時間ではなく、かける重さ(荷重、抵抗)が重要です。

 虚血性心疾患など生活習慣病の予防にいいのは有酸素運動です。しかし、有酸素運動のみでは筋肉を太くする働きは少ないのでレジスタンス運動が注目されています。特に高齢になっての介護予防に効果があると思われます。また体の柔軟性を保つストレッチなども重要です。太極拳などもバランス能力、転倒防止の運動として注目されています。バランスよく適量、全部やるのが良いのです。

●有酸素運動は何でもいいのか/始めることが大切

 どんな有酸素運動でもいいのです。とにかく始めること、習慣にすることの方が重要です。そして頻度、時間、強度が効果の程度を決めます。

 私の勤務する札幌市健康づくりセンターのアンケートによると、歩くこと(ウォーキング)、ハイキング、山歩き、自転車、サイクリング、ダンス、ジョギング(走る)、歩くスキー、体操、ダンベル体操、水泳、水中歩行、アクアビックス、フィットネスクラブでの運動(エアロビックス・バイク・トレッドミルなど)、自宅での据え置き型バイクなど、です。

●フィットネス・クラブなんて入りにくい/自己流は危険、まず手ほどきを

 そんなことはありません。値段も手ごろになりました。体育館より運動機器具がそろっています。運動指導士(フィットネス・インストラクター)が必ずいます。相談すると器具の安全で正しい使い方、よいフォームなど運動一般について親切に教えてくれます。若い人だけでなく中年、高年者まで幅広い年齢層の運動の場となってきています。健康づくりセンターでも、常連の最高年齢の方は90代です。冬に雪の降る地方では特に有用です。

 またフィットネスセンターの有酸素運動の主要機器であるバイクやトレッドミルには他の運動時には得られない大きな特徴があります。それは運動の強度が自由に厳密に決められることです。バイクでは漕ぐ時の抵抗が可変です。坂道の度合いを変えているわけです。トレッドミルではスピードと傾きが変えられます(トレッドミルは機種によっては傾きが変えられないものもある)。科学的なトレーニングをするにはぴったりです。またレジスタンス運動では、自己流は危険です。フィットネス・クラブで手ほどきをうけるのがベストです。正しいストレッチ、太極拳などの教室もあります。


  
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