無常である全ての物は必然的に生じ滅し死んでゆくにも拘わらず
我々が滅や死の来ないことを希求する欲望、それがすなわち愛である。
簡単にいえば固定不変化を希求するのだ。固定不変化を希求すれば、
自我もまた固定的実体化される。三法印の第二に諸法無我をいったのは、
自我もまた固定的にあるのではなく、それはまた無常なものにすぎない
ことを明らかにするためであった。現実はどこまでも無常であるのに、
固定不変化を希求することはそれ自身矛盾といわねばならない。
絶対にできない事なのだ。