チョコレートに含まれる動脈硬化を防ぐ成分は、ミルクチョコに加工されている場合や、牛乳と一緒に食べた場合は、人体に十分吸収されないことが、イタリア国立食品栄養研究所と英グラスゴー大の共同研究で明らかになった。動脈硬化の予防効果を期待する場合は、ブラックチョコを適量食べるのが良さそうだ。
チョコレートには、緑茶にもあるエピカテキンなどのフラボノイド(ポリフェノール)が含まれ、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ効果が知られる。共同研究グループは、25-35歳の健康な男女12人に、(1)ブラックチョコ100グラム(2)ブラックチョコ100グラムと脂肪分の多い牛乳200ミリリットル(3)ミルクチョコ200グラム?を別々の日に食べてもらった。
それぞれ4時間後の血液中のエピカテキン量を調べたところ、ブラックチョコだけを食べた場合に比べ、牛乳と一緒の場合は46%、ミルクチョコの場合は69%も少なかった。これは、チョコのフラボノイドが牛乳のタンパク質と結び付き、体内に吸収されにくくなったと考えられるという。