■食事バランスと十分な水分摂取を

 尿路結石の原因は多岐にわたり、種々の環境要因、遺伝要因が考えられます。形成される結石成分は蓚酸(しゅうさん)カルシウム、リン酸カルシウムなどの カルシウム含有結石が大半を占め、そのほか尿酸結石、リン酸マグネシウムアンモニウムという尿路感染が原因となるものもあります。

 基本的には結石成分により、治療も予防も対策が異なりますので、結石成分の検査は重要です。詳しい血液、尿化学(二十四時間尿の定量)などの検査により発生原因を洗い出すことが必要です。

 過蓚酸尿症は尿路結石の危険因子で、蓚酸を豊富に含む食品(ホウレンソウ、チョコレート、タケノコ、紅茶、ピーナツなど)の過度の摂取には注意が必要で すが、ホウレンソウのおひたしにはちりめんじゃこを添える、紅茶ならミルクティーにするなど、蓚酸とカルシウムを同時摂取すれば腸管からの吸収が減少する ので工夫が大切です。

 胆石もあるそうですが、コレステロール、中性脂肪などの数値はいかがでしょうか。尿路結石症も生活習慣病との考え方があり、バランスのよい食事が重要で す。動物性蛋白(たんぱく)や脂っこいもの、砂糖などの過剰摂取は結石形成に促進的に働きます。一方、水分摂取は結石成分や発生原因にかかわらず、結石排 泄(はいせつ)の助けになり、結石の増大、再発予防対策としても有効です。

 食事以外に一日二リットル以上の水分摂取が推奨されています。夜間は濃縮尿となるので、夕食から就寝まで四時間以上あけるのも重要です。最後に肉眼的血尿が続く場合は、泌尿器悪性腫瘍(しゅよう)の精査も受ける必要があると思います。