■優秀賞
「立佞武多(たちねぷた)の運行」(第1回)
青森県五所川原市(人口 50,471人)
主催者 五所川原市
開催日 平成10年8月5日〜7日
開催場所 五所川原駅前通り 集客人員 310,000人
■概要
地元有志の手により約90年ぶりに復活し中心市街地に登場した「立佞武多(たちねぷた)」は、高さ22m、重さ16tにもなる。「立佞武多(たちねぷた)」は、明治から大正にかけて運行されていたが、高さ20m以上もあったことから、市内に電柱が立てられるにつれて運行が困難となっていった。
今回復活された「立佞武多(たちねぷた)」は、「親子の旅立ち」をテーマとして制作され、完成までに5ヶ月余りを要した。運行に際しては、電柱・電線の地下埋設や移設を行い、約200mのコースが確保された。夏祭りのシンボルとして復活した「立佞武多(たちねぷた)の運行」には、観客の飛び入り参加も可能で、今後は観光の新たな目玉としての定着を目指している。
■評価のポイント
社会的制約からその高さを低くされていった佞武多(ねぷた)の原点ともいえる「立佞武多(たちねぷた)」の復活を資料がほとんど無い中で成し遂げたというのは、関係者の熱意と努力による。市民有志の「立佞武多(たちねぷた)」にかける想いに、行政側も電線の埋設工事を行うこと等で積極的にバックアップし、勇壮な「立佞武多(たちねぷた)の運行」を見事に復活している。
また、歴史的資産を発掘しながらも制作テーマを歴史ものにこだわらず、家族の絆を題材とした点にも好感が持てる。