栄養テーマに活用/食事見直し効果的 音更町立音更中学校 坂田 明彦 先生

 最近、食事や栄養、生活習慣病についての記事がしばしば新聞に掲載されます。ある調査で小学生、中学・高校生、大学生に朝食について聞いたところ、小学生で15%、中学・高校生で20%、大学生ではなんと70%が朝食を抜いているという驚くべき結果が出たそうです。成長期に正しい食事、休養を習慣化することで一生健康を保てる「身体資源」も、これでは形成できるわけがありません。

 そこで、生徒たちに「なぜ栄養や食事にかかわることが、毎日のように新聞に掲載されているか」を考えさせることにしました。保健分野の「栄養と食事」に組み込み、中学生のうちに食事についての正しい認識を持たせたいと思ったのです。新聞のこうした活用は、たいそう効果的でした。

 授業では、各自が栄養に関連したテーマを決め、新聞だけでなく図書室や学校の栄養士さんの本、インターネットなども手掛かりに調べていきました。生徒たちはそれぞれが関心を持ったことをテーマに選んだだけに、熱中しています。食事や栄養、健康に関連した記事を読む生徒たちは紙面から目を離さず、しばらくじっと動かない子もいました。

 欧米型の食事より栄養のバランスの良い日本食が見直されていること、給食は時代が進むにつれ変わってきていることなど、興味ある記事がたくさんあります。なかには赤ちゃんの食事(母乳)について調べているうちに、母胎の赤ちゃんが喫煙によって受ける影響にまでテーマを発展させる生徒もいるなど、さまざまな角度から学習を深めていきました。

 新聞などで調べたことは、グループで分担して新聞スタイルにまとめます。特に、決められた文字数で記事にまとめる様子は新聞記者さながらでした。

 学習の総まとめとなる公開授業では、グループごとに、どの記事をトップに置くか、囲み記事はだれが書くかなどを話し合いながら、新聞の割り付け作業に入りました。話し合いでなかなかトップ記事が決まらず、もめるグループもありました。見出しを英語にしたいと、英語の先生にたずねたりもします。どの班も、インパクトのある、かっこいい紙面にしようと工夫をこらしていました。

 食事や栄養について学び、正しい食生活を続けることは、充実した人生を送ることにつながります。これからは授業以外でも、給食や部活動の時間などを活用して、積極的に食生活のことを話題にしていこうと考えています。

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