第9回(2018年) 北海道農業高校生ガーデニングコンテスト 審査発表

大賞
(北海道知事賞)

岩見沢農業高等学校Bチーム(環境造園科)

準大賞(札幌市長賞)

士幌高等学校(コンパクト型)

準大賞(札幌市長賞) ・市民賞(実行委員会賞)

旭川農業高等学校

※市民賞は来場者投票で最多得票数の学校に贈られます

奨励賞(北海道新聞社賞)

中標津農業高等学校

特別賞(実行委員会賞)

新十津川農業高等学校


第9回 北海道農業高校生ガーデニングコンテスト審査について

審査委員長 阿部 典英

 第9回北海道農業高校生ガーデニングコンテストが例年通り札幌大通公園で開催されました。大通1丁目から11丁目まである公園はハナ・はな・花が咲き、まさに百花繚乱の状態です。その中で、コンテストが開催された4丁目の一丁区は、北海道の公園でもNO1の人々が集まり賑わう場所です。そこに本年は10校から12チームが参加出品されました。
内訳はコンパクト型5作品、スタンダード型7作品でした。作品は若者らしい発想から生み出された素晴らしいもので、出会うたびにとても嬉しく、期待が高まります。

 今回の審査員は、次の通りです。

北海道園芸商同友会 会長 細木 信利 氏
公益財団法人栗林育英学術財団 理事長 佐藤 昇志 氏
北海道フラワーガーデン協会 会長 松田 真也 氏
酪農学園大学農食環境学群 園芸学研究室准教授   森 志郎 氏
美術家・北海道文化団体協議会 会長 阿部 典英 氏

 回を重ねる度に作品レベルがアップしていますが、今年の作品はさらに大きな飛躍がありました。審査の評価項目は、次の通りです。

作品がテーマと適合している
(テーマの意味を理解するとともに地域や学校の特色を活用し、表現できているか)
高校生の作品として創造性が豊かに表現されているか
(生徒の力量や創意、工夫など)
良質な花や葉物、花卉などが的確に植栽されているか
(品質やバランス、空間利用など)
ガーデニングとしてのデザイン力が優れている
(配置や視覚的訴求力の強さ)
発表の方法が優れているか
という5点の観点から総合的に評価し、審査を行いました。
今年も生徒の精魂込めた、各々の力作を時間をかけ慎重に審査し協議をしました。各審査員の主な感想を記します。

  • 年々、表現技術の向上が見られ審査に苦労するが、楽しさと未来を担う若々しい姿に出会うと審査員も元気が生まれる。
  • 人間は土、無くしては生きることが出来ない。そんな環境を理解している姿が各校の作品に表れている。
  • 地域やテーマに合わせた、細かい数多くの工夫があった、岩見沢Cにはしっかりとでていた。
  • 士幌は自から暮す土地(自然)感が表現されている。
  • 大野には函館山の夜景の表現に複数の工夫があった。
  • 中標津は故郷を愛する気持ちが示されていた。
  • 新十津川は景色がしっかり再現され、地元での活動が背景にあると思われる。
  • 岩見沢Aは高校生らしい。
  • 岩見沢Bは地域への配慮があり良庭の勉強をして、わかりやすいプレゼンで日本文化の深さも実感できる。
  • 旭川農業高校のデザイン性は抜群。
  • 昨年とは一味、二味も違う構成でとても楽しめた。
  • 開花調整をどの学校もよく考えていると感じた。
  • 士幌のアイヌ文化の継承の植栽では、ナチュラルな植込と植物選びが良いと感じた。
  • 一年草と宿根草の使い方をよく考えていると感じた。
  • 中標津のホルスタインや飛行機の制作にも、上手で驚いた。
  • 岩見沢Bの茶庭は、盆栽や茶花をうまく利用し、新たな表現の方法を感じた。
  • 各高の地域の特色及び郷土愛が花を使って、うまく特に中標津及び新十津川、倶知安は上手に出来ている。
  • 岩見沢Bの日本庭園は、日本の文化をうまく表現されている点が全作品の中で目を引いた。
  • 倶知安の作品に郷土の宝をよく理解し、それを尊重していることに心をうたれた。
  • すべての高校が故郷の良いところを、しっかりと受けとめ、発展させたいという志が素晴しい。

など、多岐にわたる意見がありました。
その結果

特別賞(実行委員会賞) 北海道新十津川農業高等学校
奨励賞(北海道新聞社賞) 北海道中標津農業高等学校
準大賞(札幌市長賞)  北海道士幌高等学校(コンパクト型)
  北海道旭川農業高等学校(スタンダード型)
大賞(北海道知事賞) 北海道岩見沢農業高等学校Bチーム(環境造園科)

受賞されました5校には心から『おめでとうございます』と祝意を申し上げます。
 

 大賞の岩見沢農業高等学校Bチーム(環境造園科)の作品は各審査員の感想にも記されております通り大変評価が高かったです。各チームの作品が花の持つ色彩や鮮やかさを活かし、構成にプラス。プラスの志向の中に、日本の伝統文化としての簡略・簡素のマイナス志向も、大きな要素として表現されています。
 今、日本には多くの外国からの観光客が来ています。その中で高い人気のあるところが島根県安来市にある『足立美術館』です。そこにある枯山水庭をはじめ5万坪の中にある6つの庭園です。華やかに対しての静けさの優雅があるのです。この作品はまさにこの美なのです。プロが設計した様な秀逸な出来上がりです。北海道にも外国から沢山の観光客が来ていて、大通公園にも足を運んでいます。間違いなく岩見沢農業高等学校Bチーム『環境造園科』の作品はオーワンダフル!と絶賛されることでしょう。

 準大賞の士幌高等学校の作品は、「エゾ」から「ホッカイドウ」と地名が変わった節目の150年目であります。北海道の歴史を作った先住民であるアイヌ民族の文化をさらに「継承」するというコンセプトが作品に反映されています。開拓では一番の厄介な、大きな根を中央にドンと配置した構成は、今まで無かったです。それだけでも、大胆な中に、繊細な先人に対する敬意を感じさせる優秀な作品です。

 同じく準大賞の北海道旭川農業高等学校の木、森、家具をデザインし、木の町、家具の町、旭川を表現したものです。現在、旭川家具は全国的、世界的にも知られるようになりました。それは長原實という一人の男の大きな力によるものです。留学時、オランダの港で見た大木が『アサヒカワオーク』と呼ばれていた原木でした。そこで帰国した時には、まだタンスという嫁入り道具で栄えていた家具を生活様式の全てを変えたことです。今回、加工された木材を森に見立てたり、テーブル、イスとして庭に活用したのは、長原が目指した生活様式へ限りなく活用させるという考えと一致するものです。今回で9回目ですが、大賞が6回、準大賞が2回と受賞する最強力校です。今回も大作で力強く構成された素晴らしい作品でした。

 奨励賞受賞の北海道中標津農業高等学校、生産技術科・植物活用研究班。中標津という雄大で牧歌的な景観を誇れる街として、舞台の装置のように全て手作りの庭園にした作品です。飛行機、トラクター、乳牛、キャラクター等を努力した姿と出来上がった時の楽しかった顔付で感じとれる研究されたアイデアの良好な作品です。北海道の最東端からの搬入作業に伴う、種々のご苦労ほんとうに大変でした。生産技術科17名で育てた花々も札幌まで運んでくれ、多くの方々に見てもらえたことに「アリガトウ」にっこり笑って感謝している様に見えました。

  特別賞の北海道新十津川農業高等学校は低温や天候不順に悩まされた花々でしたがとても良好な力作でした。代々続いている宿根草の活用使用も定着し、新十津川の特徴も出ていました。

 受賞されなかった作品も、僅かの差でした。岩見沢農業高等学校AチームのJune Bride~夢ある街 札幌~」は女性らしいアイデアでテーマ通り夢を抱く、花・花で導く作品でした。
倶知安農業高等学校の作品も密度の濃いものでしたが、窮屈感もありました。剣淵高等学校の作品も面白いテーマであります。期待したいです。

  初出品の大野農業高等学校の参加はとても嬉しく心より歓迎いたします。他校の作品を見られて感じられるところが有ると思います。期待いたします。

 2日間にわたる作品展示作業、そしてプレゼンテーションご苦労さまでした。来年は記念すべき10周年になります。

 農業は最近、福祉関係とも密接な結び付きが出てきました。両方の分野で、共にQOR(クオリティ・オブ・ライフ)生活の質の改善が目標になり、共存出来る場を求め合うことが可能になります。花のあるところには必ず人々は集まります。来年もまたお会い出来ることを楽しみしております。

花フェスタ2018札幌 実行委員会
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