≪絵と文部門≫

大賞三席(北海道新聞社賞)

「ハチツナシレ」はすてきなあいさつ 

太田 美月(おおた みづき)=釧路市鳥取西小学校6年

読んだ本:《おじいちゃんが、わすれても・・・ 大塚篤子/作 こころ美保子/絵(ポプラ社)》

 杏にとっては、あんなに大事な大事なテニスの試合だったのに、それを放り投げておじいちゃんを探しに行くことを選んだ!五年生の女の子が選んだと思えないあの強い決断!
 私にできるだろうか?大好きなバレエのコンクールを欠席して、家族の一大事のことにかけつけることができるだろうか?迷って迷って立ちすくんでしまうにちがいない。
 そういう杏の心を支えていたのは、親友の志津ちゃんやあこがれの坂上くん、両親と弟と、それにおじいちゃん。みんなの応えんや心のふれ合いがあったからだと思う。
 仙崎家だけのあいさつ「ハチツナシレ」は「安心の、希望の、強いきずなの、そして思いやりの合い言葉」で、家族は心の深いところでつながっていたんだ。「認知症」のおじいちゃんに対する杏のやさしい気持ちは、そんなところからじょじょに生まれたにちがいない。私も杏を見習いたい。太田家のあいさつ言葉も家族みんなで考えてみようかな。

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