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 第1巻の刊行は昭和52年(1977年)秋。冬季オリンピックによって札幌の都市基盤が整備され、道路、交通機関をはじめ、現在の札幌の基本形ができあがり、札幌がさらに新しいステップを踏み出そうとする時期での刊行でした。

 国際都市としての実をあげよう、文化の質を高めよう、市民が誇りを持って札幌を語れるようにしよう。ハードからソフトへ、心の豊かさを目標にした市政を進めようとした、その大きな事業の1つが札幌文庫の発刊でした。

 しかし発刊前には心配もありました。1つには歴史の浅い札幌に、100巻もの本にする何かが存在するだろうか。あるいは資料的研究的価値を重視すれば市民の関心が離れやすいし、読み物風に過ぎれば興味だけのものになってしまう等など。第1巻は「札幌地名考」、地名の由来を通じて札幌の先達の歴史を探る試みでした。その好評が引き金になって、以来25年間、予定通り100巻の完結となりました。過去を探る第1巻と未来を考える第100巻。首尾がととのいました。この間、優れた執筆者に恵まれ、多くの市民に歓迎されて、自治体では例をみない独自の文化叢書を残すことができました。

「第100巻 北都、その未来」序文「夢を紡ぎ 夢を託す」より
札幌市長 桂信雄 



第1巻〜第100巻は全て絶版になりました。ありがとうございました。
第1巻−第25巻 第26巻−第50巻 第51巻−第75巻 第76巻−第100巻

第1巻「札幌地名考」(1977年9月)
 山鼻、桑園、薄野・・・1世紀を経た札幌の地名は、時間を超えて各地域の歴史と、父祖の心情を語りかけてくれる。更科源蔵、小梁川重彦氏ら11人の執筆。

第2巻「札幌の街並」(1977年11月)
 馬〜馬鉄〜市電・バス〜地下鉄という交通史の変遷をみても、札幌の街並はこの1世紀めまぐるしい変貌をとげた。写真と随筆で街並の新旧を対照する。

第3巻「札幌風物誌」(1978年1月)
 時計台、豊平館、石狩街道、アカシア並木、鴨々川などのほか、ビール、ジンギスカン鍋、馬糞風といった季節にまつわる風物も含めて随筆とさし絵の50編。

第4巻「豊平川」(1978年3月)
 札幌の母なる川豊平川≠フ全貌を、その生い立ち、そこに棲む生きもの、人とのかかわり合いなど多角的に捉えるとともに、源流から下流へとルポで綴る。

第5巻「札幌の詩」(1978年8月)
 古きものへの郷愁と、機能的な現代性が調和する札幌の街の詩情を、100編の詩、詩集・詩誌の解題、さらに明治から現代までの詩壇史によって浮き彫りにする。

第6巻「時計台」(1978年10月)
 札幌農学校演武場としての誕生以来、1世紀の時を刻んだ時計台は鐘の音とともに多くの人々に親しまれてきた。主婦や学生の想い出なども綴る時計台百年の歴史。

第7巻「札幌事始」(1979年1月)
 酒造り、写真館、遊郭、人力車、呉服屋、喫茶店など、札幌での諸事はいつ始まり、100年の歴史の中でどんな消長をたどったか−──140項目を6章に分けて解説する。

第8巻「札幌の橋」(1979年3月)
 橋は人々の生活と深いかかわりを持ち、その役割りも多様である。橋名の由来、誕生のいきさつとその消長など、多角的に捉えた橋の今昔。

第9巻「札幌の短歌」(1979年6月)
 札幌を詠んだ来遊、物故、在住歌人1000首の短歌と、歌集・歌誌の解題、さらに明治から現代までの歌壇の歩みを詳述して、札幌の短歌の全貌と歴史を解説。

第10巻「札幌風土記」(1979年9月)
 札幌の街の成り立ちから、札幌人気質、札幌特有の言葉など、自然、社会、文化、宗教、言語、生活の各面からさっぽろ≠フ風土を浮き彫りにする。

第11巻「札幌の駅」(1979年12月)
 駅には人生の縮図がある。札幌駅の100年の歩みをはじめ、駅周辺の街並みの変化、函館本線、千歳線、札沼線をはじめ定鉄50年の年譜、地下鉄誕生から現在までの経過と展望も詳述。

第12巻「藻岩・円山」(1980年3月)
 札幌市民に最も親しまれている藻岩山・円山には、原始の姿がなお残されている。両山の歴史、自然、施設、生物、人との関わり合いなど、緑豊かな両山の全容を描く。

第13巻「札幌の俳句」(1980年6月)
 河東碧梧桐、高浜虚子、青木郭公、牛島滕六らの俳句1000句と、句集70点・俳誌30点の解題、俳壇の歩みなど、札幌における俳句の全貌と歴史を解説。

第14巻「昭和20年の記録」(1980年8月)
 戦時体制での思想、言論統制、強制疎開、学徒出陣、空襲の状況、終戦後の連合軍の進駐、生活の混迷などを市民の応募原稿・日記もまじえて再現する。

第15巻「豊平館・清華亭」(1980年11月)
 開拓使の遺構である豊平館・清華亭は、明治から今日まで様々な歴史的役割を果たしてきた。建築から保存、利用、人との関わり合いなど、栄光の100年の歩みを語る。

第16巻「冬のスポーツ」 (1981年2月)
 スキー、スケートの普及は北国の冬の生き方を一変させた。各種競技会、氷上カーニバル−そして札幌オリンピックへと花開いていった冬のスポーツのすべを綴る。

第17巻「札幌の絵画」(1981年6月)
 100人の画家の絵各1点をカラー100ページに収めた文庫の異色編。北海道−札幌の画壇の歩みとその現状、美術館、ギャラリーなどについても詳述している。

第18巻「遠友夜学校」(1981年9月)
 生徒に教えられる方が多かった──無償で教壇に立つ学生教師と貧しい子弟との相互信頼。そこには新渡戸−有島−半澤と続く明治・大正のロマンと情熱が脈うっている。

第19巻「お雇い外国人」(1981年12月)
 明治初年、日本の近代化をめざした北海道開発と札幌の街づくりに招かれた数多くの外国人。その考え方と働きを農業、工業、社会、生活の各方面から考察する。

第20巻「札幌の自然」(1982年3月)
 緑を歩き自然を観察して生活の潤いを求める。「さっぽろ文庫」第1期最終巻は、花・樹木・野鳥に恵まれた四季折々の札幌の自然を紹介する。イラスト地図掲載。

第21巻「札幌の彫刻」(1982年6月)
 札幌は彫刻の多い都市。公園やビル、美術館などで目にふれる代表的作品、作家たちを紹介、解説する。歴史や回顧、彫刻散歩、さらに彫刻マップ、一覧表も加えている。

第22巻「市電物語」(1982年9月)
 郷愁のチンチン電車──。かつて札幌の市電は街の花形だった。時の流れに押されて、いま一路線のみを残す市電に、限りない愛着をこめ、その歩みと今後の方向を探る。

第23巻「札幌の建物」(1982年12月)
 散策の道すがらふと目にとまる風格のある古い住宅など、その街がかもし出す雰囲気で建物の占める位置は大きい。本書は街並景観のなかの建物に視点をあてて編集した。

第24巻「札幌と水」(1983年3月)
 遠い昔から、人は水を求めてさまよい、水のそばに住み、育った。札幌の生い立ちと水のかかわりを、気象、地形、周囲の自然の面から考察する。

第25巻「札幌の演劇」(1983年6月)
 開墾に汗を流した先人にとって芝居は欠くことのできない娯楽であり、あすの労働のかてであった。明治の篠路歌舞伎から現在に至る札幌の演劇の歩み、劇団の活動、テレビドラマ制作の軌跡をたどる。

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