脳幹は大きく分けて、以下の4つに分類されています。
間脳は視床と視床下部に分けられています。
視床は嗅覚以外の全ての感覚の中継点となっており、また、大脳を覚醒させてお こうとします。
視床下部は人間が生きていくうえで非常に重要な自律神経の最高中枢となっていて、内臓の制御、血圧の制御、体温調整、ホルモン分泌などを行って います。
中脳自体も、高度な運動の制御、聴覚の中継所、眼球運動などを制御しています。
橋小脳との連絡路です。この橋により、小脳と大脳・脊髄などの連絡ができるようになっています。
これがなくなると小脳との情報のやり取りが行われなくなりますから、体で覚えることが不可能になりますね。
延髄つまり、例の延髄蹴りというのは、人間の後頭部に位置する延髄にショックを与えることで呼吸と循環器の機能を阻害し、気を失っているところを フォールして・・・という技だったわけですね。
脳幹はいくつもの部分に分けられ、それぞれ役割は違いますが、全てをまとめて脳幹の働きを大別すると、以下の2つに分けられます。
人間がものを考えたり、行動したりできるのは、大脳が活動しているからですが、この大脳の活動を制御するのが脳幹の役割の一つです。
大脳は意識を担っているというお話もしましたが、その大脳が活動できるのも脳幹が活動させているからです。
ちなみに、睡眠というのはこの大脳を休ませるために取るわけですが、この睡眠はホメオスターシスという体を調整する機能が働くことによって起こ るもので、その機能は視床下部が担当しています。
従って、睡眠にも脳幹が深くかかわっているということがわかりますね。
大脳や小脳が人間として重要なものであるのならば、脳幹は人間、いや、生物の命そのものにとって重要なのです。こうしてみると、脳幹は我々が寝 ているときであっても、24時間年中無休で働いていることがわかりますね。
脳幹が機能しなくなると、大脳の活動が妨げられるので意識は保てなくなりますし、自律神経や呼吸、心臓まで機能しなくなってしまうので、脳幹に おけるトラブルは非常に重大な問題です。
脳の病気ですと、脳梗塞や脳出血がありますが、その中でも脳幹でおこる脳幹梗塞や脳幹出血は特に深刻です。先日、人気プロレスラーの橋本真也さ んが脳出血のためなくなってしまいましたが、この時はただの脳出血ではなく、脳幹出血でした。
脳幹は即人間の命に関わる部分なので、一旦脳幹から出血してしまうとほとんど助かる見込みはなく、運よく命を取り留めたとしても、大脳に深刻な ダメージを残すことが多いので、予後も良くないようです。
脳の病気としてもう一つ有名なものに脳腫瘍というものがありますが、勿論脳幹に腫瘍ができてしまう脳幹腫瘍というものも存在します。
脳腫瘍の場合は、医学技術の進歩によって大分治療も十分に行えるようになっていますが、残念ながら脳幹腫瘍の場合はまだ満足な治療ができる状況 にありません。
脳幹の中でも特に延髄は、メスを入れた時点で呼吸が停止してしまうというくらいデリケートなもので、未だに人間が直接手を下すことができないで います。
こうしてみると、例え冗談でも「延髄蹴り」なんか本気でやったら大変なことになるのがわかりますね。皆さんは決して真似しないようにしてくださ いね。取り返しのつかないことになるかもしれませんから・・・。